以前にも、こちらのサイトでご紹介したことのある東京あきる野市のブーランジェリーラ・フーガスさん。
テイクアウト販売のほか、カフェでのイートインも評判で、おいしいパンと個性的なカフェメニュー目当てに地元の方だけでなく遠方からわざわざやってくるファンも少なくないそうです。これまでオーソドックスなこだわり食パン・パン・ド・プルミエールとパーティー用の予約販売びっくりサンドイッチをご紹介しましたが、今回は同店のパンを6つのカテゴリから各1つずつピックアップし、お取り寄せしてみることにしました。
公式サイトをのぞいてみると、イメージムービーが流れる中、おいしそうなパンの数々やオープンカフェで自家製スープにパンを楽しむ人たちの姿が紹介されます。
また、オーナーのブログにはパン作りの工程や新商品の案内から、温かい人柄が伝わってくるプライベートなネタまでが盛りだくさん。作り手の顔が見えるってうれしいですね。
▼ブログはこちら
https://ameblo.jp/3492-183/
さて、期待も高まってきたところでさっそくメニューをチェック。ほぼすべてのパンに、写真と価格、原材料、特徴などが丁寧に解説されています。特筆すべきはそれぞれのパンの販売曜日と宅配の可否が記されていること。ほとんどのパンが定休日の火曜日を除いて販売されていますが、中には決まった曜日にだけ焼かれて販売しているものもあるみたい。お取り寄せオーダーの際や実際に店舗にうかがう際には事前に情報収集してからががいいでしょう。
ダンボールオープン!いい香りが立ち上ってきます
注文方法はサイト内の「WEBで注文」、もしくは電話、FAXに対応しています(通販用FAX用紙はサイトからダウンロードOK)。
筆者は「WEBで注文」を押すとOrder Formに飛ぶので、必要事項を記入しパンの種類と数量を入れてオーダー。するとお店から確認の電話がかかってきました。複数注文したのですが、日曜日に焼くパンがあるとのことで、それに合わせて発送してもらうことになりました。
支払方法はパンと一緒に請求書が届くので、そちらに記載されている口座に振り込みをすることに。ちなみに送料は実費で着払いとのことでした。電話をくださったスタッフの方がとても丁寧で、ネットだけのやり取りでは伝わりにくいニュアンスも誤解なくお話しできたので安心しました。
全粒粉入りなのでサクッとしていて歯切れもよいパンです♪
見た目はオーソドックスな山型食パンですがラ・フーガスの中でも、かなりこだわりのあるパンなのだとか。
なるほど、外側はカリッと仕上がっていますが、カットしてみれば違いが一目瞭然。茶色がかっているのは、全粒粉入りの国産小麦を100%使用しているからなんですね。まずはそのままひと口食べてみると、もっちりとした食感と豊かな小麦の風味がすばらしい! 次にトーストしてマロンバターを塗ってみると、これがベストマッチ! 甘いマロンバターに全粒粉の香ばしさも加わって、なんとも上品な秋の味わいに。この組み合わせはオススメです。
※ジャポネの販売曜日は金曜、日曜です。
ざっくりとした質感が食欲をそそります。きれいな割れ目はさすがプロの仕事
ビジュアルは絵本に出てきそうな愛らしさ。食べてみると期待通りのがっつりハードな噛み応えで、無駄のないシンプルな味わいも想像を裏切りません。どんなものをトッピングしてもしっくり合うこのスタンダード感! 丁寧な仕事の賜物なのでしょう。
※バゲットカンパーニュの販売曜日は水曜と日曜です。
断面はこんな感じ。ナッツの食感とオレンジの香味がベストマッチ
ライ麦パンの中からセレクトしたのは、カシューナッツとオレンジピールが練り込まれたオレンジ・ライ。
袋を開ける前から、オレンジの爽やかな香りが鼻腔をくすぐってきます。カットするとローストされたカシューナッツとオレンジピールがぎっしりで、どこをかじってもカシューナッツとオレンジピールに遭遇します。独特の食感と歯ごたえに病みつきになりそうです! オレンジの上品で甘すぎない感じがとてもいいし、ライ麦パンはズッシリ腹持ちがいいのもポイントですよ。
※オレンジ・ライの販売曜日は水曜と金曜と日曜です。
雪だるまのような、帽子のようなコロンとしたかたちが愛らしい
ヴィエノワズリーは、季節の果物を使用したデニッシュをはじめ、常時9種類ものラインナップがあるとのこと。今回は、その中からブリオッシュ・アテートをセレクト。ウイーン風の焼き菓子パンなのだとか。
雪だるまみたいなかたちがとってもかわいく、しっかりめの焼き色も食欲をそそります! カットしてみると、生地は黄みがかったしっとり生地。口に含むとバターの濃厚さがダイレクトに訪れます。それもそのはず、水を使わずにミルクとバターと卵をたっぷり使ったパンなのだとか。こちらは定休日以外は常時販売中とのことです。
バターたっぷりがこのしっとり感のカギですね。これはおいしい
菓子パンメニューからは定番のメロンパンをチョイス。
表面のビスケット生地がサクサクなのはもちろんのこと、特筆すべきはしっとりとした上品でやさしい甘さです。その秘密は練乳クリームなんだとか。メロンパンファンの方にはぜひとも味わってほしいところです。メロンパンも定休日以外常時販売しています!
中の栗は甘さ控えめで、大人の男性でもおいしくいただけるはずです
ラ・フーガスでは、地元あきる野産の野菜や果物を取り入れたオリジナルパンを季節に合わせて提供しています。
そんな“旬”限定のラインナップからはいがぐりパイをチョイス。まずはそのオリジナリティ溢れるビジュアルに目がクギづけ。まさにいがぐりそのもので、ネーミングの直球感にもユーモアを感じます。
そして、この「いが」。もしかして……と思ったら「そうめん」だそうです。そして、風味豊かなデニッシュ生地の中に大きな栗の渋皮煮がゴロンと2つも入っていました。目も舌も大満足の秋の味でした。
長年、世田谷で繁盛店を切り盛りしていたオーナーが、さらなるステップアップのために選んだのが東京郊外の西多摩・あきる野の地。
川のせせらぎを感じられるパン店として10年誠実に営業するうちに、知る人ぞ知る名店に成長したというわけですね。のんびりとした自然あふれる環境で焼き上げられるパンは、食べた人にどこか郷愁を感じさせる味わい。ぜひともお店のカフェコーナーで、自家製のスープとともにパンをゆっくり楽しみたいところです。
■店舗名:ラ・フーガス
■ホームページ:http://lafougasse.net
■住所:東京都あきる野市草花3492-183
■電話番号・FAX:042-569-6369
■代表的な商品:本格的欧風パンや季節のパン、びっくりサンドイッチ
■お店紹介
カフェコーナーでは店頭で購入したパンがいただけるほか、お得なモーニングメニューやスープランチセットも販売。スープは日替わりでパンの盛り合わせはおかわりができます。パーティー用のオリジナル「びっくりサンドイッチ」の予約販売も好評。もちろん宅配可能です。
木村悦子
編集プロダクション「ミトシロ書房」主宰。『入りにくいけど素敵な店』『似ている動物「見分け方」事典』(2017年新刊)執筆。雑誌や書籍、WEB媒体で活動中。パン好きの助っ人とともに本稿を執筆しました。
https://twitter.com/mitopub