ドイツパンはお好きですか?
健康に良いという話を目にするたびに「おいしいドイツパンを食べてみたいなあ」と気にはなっていたのですが、少し食べてみたときの「ちょっと酸っぱくて、固くて、ずっしりしていて……」というイメージがあって、なかなか挑戦できなかったドイツパンのお取り寄せ。
ですが、ついに思い切って、以前にもPantastic! で紹介されていた「ショーマッカー」のドイツパンをお取り寄せしてみました!
人気店のドイツパン。果たしてそのお味は?
▼過去のお取り寄せレポートはこちら
朝食に低GI値のパンはいかが?ショーマッカーの本格ドイツパン【お取り寄せ】
誠文堂新光社の「ドイツパン大全:100以上におよぶパンの紹介をはじめ、材料、作り方、歴史や文化背景、食べ方やトレンドまでを網羅(森本智子著)」は、ドイツパンを紹介している図鑑のような本なのですが、そこに掲載されているうち10種類ほどのパンを提供したのがショーマッカーです。
「ドイツパンを網羅する本に載ったパンって、いったいどんな味なのだろう?」と、掲載されていたメアコンブロートのほかに、ヴァルヌス、キュルビスブロート、オブスト、そして冬ならではのパンとしてシュトレンをお取り寄せしました。
▲こちらがメアコンブロート
「Pantastic! や『ドイツパン大全』以外にもお店の名前を見たような? と思ってあれこれ思い出してみたら、著者でありパン好きでもある山本ありさんが、実際に自分が食べて気に入ったパンを紹介しているコミックエッセイ「やっぱりパンが好き!(山本あり著、イースト・プレス)」で、ショーマッカーのオーナー・清水さんが修行されていたドイツのショーマッカーが紹介されていたのです。
パン好きが海を渡って訪れた名店の味が日本で食べられるなんて、夢のよう! わくわくしてきました。
▲商品の一部
全部おいしそう…!
注文はショーマッカーのWebサイトにある「ご注文」からスムーズにできます。名前を見ただけではどんなパンなのか想像がつかないものが多いドイツパンですが、ショーマッカーのWebサイトにはきれいな写真と原材料が載せられているので、届いてから「思っていたのと違う」ということはなさそうです。
ワクワク♬
筆者の場合、注文日から4日後に常温で届きました。 (※夏場の気温が高いときはクール便で届くのだとか)
段ボール箱に、紙袋、材料や賞味期限が一品ずつ書かれた紙、お店の案内が書かれた紙、振込用紙と一緒に入った状態で届いたドイツパン。箱を持った感想は「ちょっと重い」でした。
▲キュルビスブロート。想像していたより大きくて、そしてずっしりとしています
せっかくなので重さを測ってみました。いちばん重いキュルビスブロートは383gという重さ! これは食べごたえがありそうです。
さて、実食です。
▲かぼちゃの種やゴマが、生地の外だけでなく中にも入っているメアコンブロート
メアコンブロートはゴマの香ばしさ、かぼちゃの種や麻の実、ひまわり、白ゴマの食感の違いが面白いパン。酸味はありますがそれほど気にならず、初めてドイツパンを食べる人にも食べやすい味です。
▲こちらはキュルビスブロート。よく見ると生地への空気の入り方も違います
そしてキュルビスブロートは、しっかりと主張してくる、しょっぱいような酸っぱいような味が印象的で、噛んでいるうちにだんだん旨味を感じられるパンです。一見同じように見える生地なのにかなり違います。
これらの違いを生むのは何だろう? と改めて材料を確認すると、書かれているライ麦と小麦粉の割合が違う! ライ麦の割合が高いと、ドイツパンの独特の酸味が強く、逆に小麦の割合が高いと食べ慣れたパンの味に近くなるのでしょう。
▲ヴァルヌス(左)とオブスト(右)。どちらも小さいながらもお腹いっぱいに
▲断面はこんな感じ
ドイツ語で“クルミ”を意味するヴァルヌスは、その名のとおりクルミが入った小さなパン。生地自体の酸味は強めなのですが、旨味がギュッと詰まっていて、中のクルミとレーズンの食感や甘みが爽やか。筆者の中ではいちばんのお気に入りでした。
オプストは確かにライ麦パンの風味がするのですが、少しもちもちした弾力があります。中に入ったクランベリーやイチジクは存在を感じさせつつも口当たりを邪魔しない、絶妙な細かさに刻まれています。手のひらサイズで満腹感もあって朝食にぴったり。
低GIでビタミンや食物繊維が豊富で身体にいいと知りつつも、日本でよく見かけるかわいくて柔らかいパンに慣れていると、無骨な雰囲気で固くて、あまり「こういうパンが食べたい」という候補に上がらなかったドイツパン。
実は、食べる前には「食べ比べたところで、シンプルなドイツパンの違いが筆者に分かるのだろうか?」と不安でした。
お店のWebサイトによると、メアコンブロートは「ドイツ産ライ麦30% 国産小麦70% 亜麻の実、ひまわり、白ゴマ、かぼちゃの種入り」で、キュルビスブロートは「ドイツ産ライ麦50% 国産小麦50% オーストリア産 オーガニックかぼちゃ種入り」と記載されていますが、筆者にはこの説明からは「トッピングが違うらしい」としか読み取れず……。
しかし、こうして本場ドイツの製法で丁寧に作られたパンをひとつひとつ食べ比べてみると、違いもはっきりわかりましたし、何よりおいしさに感動しました!
ライ麦と小麦の割合や混ぜ込む食材を少し変えると、一口食べただけで気がつくほどの違いが生まれることからも、シンプルだからこその奥深さを感じます。旨味があとからあとからやってきて、クセになるお取り寄せ体験でした。
シュトレンについては次回の記事でご紹介します! お楽しみに♪
■店舗名:ショーマッカー
■Webサイト:http://www.schomaker.jp/
■住所:東京都大田区北千束1-59-10
■電話番号:03-3727-5201
■メールアドレス:info@schomaker.jp
■代表的な商品:ライ麦ブロート、プレッツェル、ツヴィーバック
■お店紹介
「健康志向のパン」を目指して単身ドイツに渡り、マイスターの下でオーガニックや健康にこだわった伝統的なパン作りの修行を積んだご主人が、大田区北千束に出店したドイツパン専門店。
福原麻実
主に地域情報などを執筆している神奈川在住のフリーライター。欠かせないものはパンと糀から作られる甘酒、そしてカフェイン。フィルムカメラと幼児向け番組を愛する主婦。https://beta-ver.themedia.jp/