こんにちは、最近はバゲットがマイブームなPantastic! 編集部の西村です。
スープと一緒に食べてみたり、サンドイッチにしたり、バターやはちみつをかけてプチデザートとして食べたり……とにかくバゲット尽くしで過ごしています。
さまざまなお店のバゲットを食べている内に、ふと思ったのです。
「バゲットってたくさんあるけど、本場のバゲットに近い味のものはどれなんだろう?」
バゲットの本場といえばフランス。しかし、フランスに行ったことのない筆者には本場の味なんてわかりません。
「これは本場の味を知っている人に聞いてみるしかない! 」ということで、知り合いのフランス人男性にいくつかのバゲットを食べ比べてもらい、一番本場に近いものを聞いてみました!
左:ビチェンゾさん、右:レイチェルさん
今回、食べ比べをしてもらうのはフランス人男性のビチェンゾさん。そして、通訳としてアメリカ人女性のレイチェルさんにも来てもらいました!
ビチェンゾさんは、ワーキングホリデーで日本に滞在中。(※ワーキングホリデーとは、一般的な留学とは違い、働きながら一定の期間海外に滞在することの出来る制度です)現在はモデル活動をしながら日本を満喫しています。ワーキングホリデーに日本を選んだ理由を聞いてみたところ、伝統的な文化を大切にしている日本人が好きだからとのこと。ちなみに一番好きなパンはガーリックパンだそうです。
レイチェルさんは英語と日本語を使いこなすバイリンガル。日本の出版社で勤務していた経験もあり、現在はフリーランスとして働いています。健康にとても気を使っていて、彼女の作る料理はヘルシーかつ絶品のものばかり。(ゴーヤーチャンプルーとチリコンカンが特に絶品!)筆者もたまにレシピを教えてもらっています。
また、彼女は国内のイベントや海外でも阿波踊りを披露しているプロの阿波踊りエンターテイメント集団・創作舞踊集団 寶船の活動もしているのです。サイトもありますので、ぜひチェックしてみてくださいね! (サイトはこちら→http://takarabune.org/)ちなみにレイチェルさんが好きな日本の文化はもちろん阿波踊りで、一番好きなパンは日本製の蒸しパンとのこと。
今回食べ比べてもらうバゲットを紹介します。左から、ブーランジェリーパリゴのバゲット、ブーランジェリールボワのドゥミ バゲット、シニフィアンシニフィエの40時間発酵バゲットとバゲット ジャポネーズです。
写真一番左のブーランジェリーパリゴのバゲットは、前回ISEPAN! で購入したものです。こちらのバゲットにはオリーブが入っています。
2番目のブーランジェリールボワは以前にお取り寄せレポートで紹介したことがあります。
(記事はこちら→https://panpak.jp/archives/2413)
オーナーの森朝春さんはパリでの修行経験もあるとのことで、その時と同じ製法で焼きあがられているのがこちらのドゥ ミ バゲットです。
残りの2つは低温長時間発酵の第一人者である志賀勝栄さんが、オーナーを務めるパン屋・シニフィアンシニフィエのバゲットです。左にあるのは40時間発酵バゲット。その名の通り、低温で40時間かけて発酵させたバゲットです。低温でじっくり発酵させることで素材のうま味が最大限まで引き出されるのだとか。その隣のバゲット ジャポネーズは国産小麦100%で作られたバゲットです。ちなみにシニフィアンシニフィエも紹介したことがあるんですよ。
(記事はこちら→https://panpak.jp/archives/2040)
それでは早速、この4つを食べ比べしてもらいます!
せっかくなので筆者も一緒に食べてみたいと思います。
まず、ブーランジェリーパリゴのバゲットをいただきます。
ビチェンゾ(以下:ビ)「赤ワインと合いそうだね。」
レイチェル(以下:レ)「オリーブの香りがいいですね。これはバターやスープに添えるというより、これだけで食べたほうが良さそう。」
西村(以下:西)「オリーブの味が程よく主張してる! オリーブが苦手な人にとっては少し厳しいかも? 」
続いてブーランジェリールボワのドゥ ミ バゲット。
ビ「これはフランスのバゲットと似てる! 本場だとクラスト(皮の部分)がもう少し厚いかな。」
レ「さっきより柔らかくて食べやすいね。」
西「良い意味で控えめな味。甘いものから塩気のあるものまで何にでも合いそう!」
お次はシニフィアンシニフィエの40時間発酵バゲット。
ビ「味が少し薄いような……?」
レ「サワードウに少し似てるような気がする」(※サワードウとは、小麦粉+ライ麦粉+水というシンプルな材料に酵母と乳酸菌が配合された伝統的なパン)
西「少し酸味がある。これは塩気のあるスープに合わせたくなる味。」
最後はバゲット ジャポネーズ
ビ「おいしい! これは本場に近いね。」
レ「さっきより小麦の味がしっかりと感じられるね」
西「弾力があって嚙むたびにうま味が出てくる感じ……。焼き立ての端っこにかぶりつきたい」
さて、全て食べ終わりました! 果たして一番本場に近いバゲットとは……?
それでは、せーので指をさしてもらいましょう!
ビチェンゾさんはブーランジェリーパリゴのバゲットとシニフィアンシニフィエのバゲット ジャポネーズと、まさかの2つ! レイチェルさんはシニフィアンシニフィエのバゲット ジャポネーズでした。
その理由は何なのでしょう?
ビ「ブーランジェリーパリゴのバゲットは単純に好みだった。赤ワインと一緒におつまみとして食べたいね。バゲット ジャポネーズは1番本場に近い味がしたよ」
レ「バゲット ジャポネーズが1番本場に近いように感じましたね。」
ちなみに筆者が個人的に好みだったのはブーランジェリールボワのドゥミ バゲットでした。オリーブが好きな方には間違いなくブーランジェリーパリゴのバゲットがオススメですし、シンプルなおいしさがお好みのかたはブーランジェリールボワのドゥミ バゲット。奥深い味わいが好きな方はシニフィアンシニフィエのバゲットがオススメですよ。ちなみに40時間発酵バゲットは、その日の発酵状態によって少し酸味が強くなったり、甘味が強くなったりと味が変わるのだとか。何度か買ってみて味の違いを楽しむのも良いですね。
食べ終わった後にしばらく談笑していたのですが、その中でビチェンゾさんがバゲットについて色々と教えてくれました。
バゲット トラディションのつづりを書いてくれました
ビ「バゲットには”バゲット”と”バゲット トラディション”の2種類があるんだよ。”バゲット”は、焼き目が強すぎず黄色~茶色で気泡も少なめなんだけど、”バゲットトラディション”は焼き目が強くついていて、粉がついているのが特徴的だね。低温長時間発酵されているから大きな気泡が特徴的で、”バゲット”よりも奥深い味わいなんだ。ちなみに値段的にも”バゲット トラディション”の方が少し高いよ。軽く食べたいときなんかはバゲットで、お肉やがっつりとした食事に合わせるのなら”バゲット トラディション”がオススメだね。」
ちなみに、今回食べ比べた中で、バゲットに当たるのはブーランジェリールボワのドゥミ バゲットで、シニフィアンシニフィエの2つのバゲットは「バゲット トラディション」に当たるのだとか。
ビ「バゲットにおいて一番大事なのは”食感”なんだ。味か食感かと言われたら、間違いなく食感が大事だよ。固くなってしまっていたりするのはあまり良くないね。フランス人にとって、バゲットは日本人にとってのお米と一緒なんじゃないかな。毎日食べるし、嫌いな人もあまり見かけないよね。僕はフランスにいたころは毎日2本はバゲットを食べていたよ。フランス人は見た目だけで、おいしいバゲットかそうでないバゲットかの区別がつくんだ。」
そう話しながら、バゲットの切り方についても伝授してくれました。
ちなみにレストランなどでもよく見る斜め切りは、フランスの一般家庭ではあまりしないのだそうです。(ちょっとビックリ)
美男美女がパンについて語る
レイチェルさんは、普段は玄米を食べることが多いのだそうですが、「ビチェンゾの話を聞いていたら、私もアメリカのパンが恋しくなってきたなぁ。日本のパンもおいしいけど、やっぱり故郷の味が恋しくなっちゃう。まだまだ日本には売っていない種類のパンもたくさんあるからね。」と話していました。
パン屋に行くとたくさんの種類のパンが販売されていて、その種類の多さにビックリすることもありますが、まだまだ世界にはたくさんのパンがあるのですね……。
いつか世界のパンを制覇してみたい!という野望を胸に、これからもたくさんのパンを食べて、紹介していきたいと思います!
ビチェンゾさん、レイチェルさん、ありがとうございました!