「金谷ホテルベーカリー」が冷凍パンを開発して通販事業を始めたのは、今から18年前の2002年ごろです。
焼き立てパンの香ばしさ、さっくりとした歯ざわり、生地から立ち上がる湯気——。「金谷ホテルベーカリー」は、焼き立てパンの美味しさを家庭にも届けたい思いがありました。しかし、合成保存料などを極力使用しないでパンを製造していたため、消費期限は製造日から夏場は3日間、冬場は4日間しかありませんでした。
消費期限が数日しかないパンを通販することは難しかったため、試行錯誤の末にたどりついたのは、美味しさを封じ込めることができる「冷凍パン」の方法でした。焼き上がったパンを数時間後に、断面の乾燥を防ぐためにスライスしない状態で急速冷凍。これにより、賞味期限を冷凍保存で製造日から 30日間にまで延ばすことができました。
連載第4回目でも伝えたように、“良いものは変えない”が「金谷ホテルベーカリー」の基本姿勢。「金谷ホテル」で供するパンには合成保存料が使われていないため、「パン好きの牛乳仕込み 冷凍生食パン」でも合成保存料を使わずに開発するチャレンジを行ったのは、自然なことでした。
「パン好きの牛乳仕込み 冷凍生食パン」では、主に2つのことを目標に掲げて開発を進めました。この「パン好きの牛乳」の特徴である「コクがあるのにスッキリとした飲み心地」を食パンでも表現すること、そしてもう1つは他の高級食パンにはない「しっとりともちもちの生食パンを解凍するだけで味わってもらう」ことでした。
さまざまな難題をクリアするため、試作を重ねました。職人がこれまでの経験から得た技や微妙な調整力を駆使して、理想の味を誕生させることができました。
「コクがあるのにスッキリとした飲み心地」を食パンで表現するため、世の中の高級食パンで使用されている生クリームは使わずに、「パン好きの牛乳」と国産発酵バター、さらには国産小麦とハチミツを使って、自然な風味とコクを出しました。さらに、クラスト(パンの耳)は、しっかり焼き色がついているのに柔らかい口当たりのよい状態に仕上げました。
しかし、一切水を使わずに「パン好きの牛乳」だけを使うと、牛乳に含まれる脂肪分やタンパク質の影響で生地が硬くなりやすく、さらには一気に牛乳を加えると生地がベタつく問題も起こりました。そこで、牛乳を少しずつ足して生地をこねていく方法で課題をクリアし、粉の風味を損なわずに柔らかい食パンに仕上げることができました。
さらには、試作を重ねて生み出した理想のパンを、基本的なコンセプトと主な原材料はそのままに、今度は工場の製造ラインに合わせた生地に調整する必要がありました。こうしてさまざまなチャレンジを経て、一般に販売可能な「パン好きの牛乳仕込み 冷凍生食パン」をようやく完成することができました。
次回は(11月27日/金 配信予定)、PANPAK編集部が「パン好きの牛乳仕込み 冷凍生食パン」を実際に取り寄せてレポートします。
※今なら、パン好きの牛乳ソフト保冷保温ランチトートバッグ(小)がもらえるそうです。
※賞味期限:パン:30日間(冷凍保存)
※冷凍便にてお届け致します。
※パンは解凍してからお召し上がりください。
※パンはカットしておりません。
アレルギー表示(28品目中)
・パン好きの牛乳仕込み 冷凍生食パン 小麦、乳成分
【Vol.1】本日発売開始!金谷ホテルベーカリーと「パン好きの牛乳」のコラボ食パン
【Vol.2】「パン好きの牛乳仕込み 冷凍生食パン」を生んだ金谷ホテルベーカリーが誕生するまで
【Vol.3】“パンの神様”と呼ばれた、川津勝利ってどんな人?
【Vol.4】良いものは変えない。ホテルの朝を支えてきたパンへのこだわり
【Vol.5】ロングセラー「ロイヤルブレッド」ほか、人気パンをご紹介
【Vol.6】「パン好きの牛乳」のみを使い、他にない体験の高級食パンを
【Vol.7】【開発秘話】「パン好きの牛乳仕込み 冷凍生食パン」はこうして生まれた(本記事)
【Vol.8】【お取り寄せレポート】パン好きの牛乳とコラボ「パン好きの牛乳仕込み 冷凍生食パン」