パンハンター じぇしかのWebメディア「パンの断面」2020年9月掲載記事からの転載です。元記事を読む
和歌山の人気パン屋さん、3ft。ファンも多く、私も一度お店に訪れて以来、すっかり虜になってしまったパン屋さん。むちもっちゅっとした水分たっぷりのクラム、そして独創的なフィリングと、魅力的なパンは一度食べると忘れられない。そんな3ftが2020年9月に中村食糧として東京にオープンした。本当は春にオープン予定だったものの、コロナウイルスの影響でオープンは9月に変更された。首を長くして待っていたファンも多いはず。
お店の場所は清澄白河駅から徒歩3分ほどのところ。開店時間は10時半。「近隣の方の迷惑になるので、並ぶのは10時から」とお店のアナウンスもあり、開店までの30分で10組ほどの行列が。
お店の外観はコンクリート打ちっぱなしのスタイリッシュな雰囲気。風でそよぐ緑がとっても映えている。
脇にはちょこんと置かれた立て札。目印はなんとこれだけで、看板はかかっていない。
入店は1組ずつ。ワクワクする気持ちを抑えて店内に入る。
真っ先に、目に入ったのは店内正面のこちらの看板。
中村食糧の頭文字から「n」だろうか?右上がちょこっとかじられたデザインが可愛らしい。
店内はこちら。
入って左手にショーケースとその隣に棚が。棚の奥が厨房になっている。
パンはオーダーをして、定員さんにとってもらうスタイル。
棚に並んでいたのは「お角」(食パン)「みんなのパン」「ヨカン」。そしてサンド系の「サラミにポテト」「あんこマスカルポーネ」の5種類。
正面のショーケースに並べられたパンは断面がこっちを見てる!「イチゴ」「くるみのハチミツ漬け」「ショコラン」「塩豚フロマージュ」の4種類。
この日は和歌山店の時に購入したことがなかったパンをチョイス。
そうこれ!と言いたくなるようなパン。3ft(中村食糧)のパンといえば!この、もちゅ、むちっとした食感。口の中でクラムが吸い付くようなたっぷりの水分感!噛み進めるほどむちむち感が増していき、ふっと最後に消えていく不思議な感覚。ほのかで、そして明るめな小麦の風味が広がり、後からとても優しい酸味がふわりと広がる。
羊羹をイメージしたというクラムは、確かに羊羹みたいにぷりっと噛み応えがあるような食感。それを包み込むのは、薄いけれどしっかり食感のクラスト。クラムに練り込まれているのは、チョコレートと粒あん!チョコレートはとっても濃厚で粒あんが控え目に感じるくらい。焼き菓子みたいなパンで、甘党にはたまらない。ブラックコーヒーと相性抜群。
東京でオープンしても、やっぱり変わらず魅力的なお店。通い詰めてしまいそう。
東京都江東区清澄3-4-20
営業時間:10:30~15:30
定休日:火曜日、水曜日
https://www.instagram.com/3ft.official/
じぇしか/パンハンター Twitter: @je_si_ka_
パン屋さんを見つけたら素通りできない無類のパン好き。食べるのも好きだけどパンの断面を眺めるのが至福。夢は作り手と食べ手が一緒になって、笑顔でパンを囲む場所をつくること。愛してやまないパンの断面は〈パンの断面図鑑〉 https://www.instagram.com/panno_danmen